そこはおそらく三ヶ日で、
湖を望む古い(けどよく手入れの行き届いた)料理旅館に私は来ていた。
私は何処かから帰る途中だったのだが、帰る足がなく、
隣町に住む両親に迎えを頼んでいた。
「⬜︎△亭よね、わかるわかる、実家の近くだから…30分くらいで着くからまってらっしゃい」
いつものようなお気軽な声で返答する母。
昨日はその旅館に泊まっていたようだ。
帰り支度をしながらぼんやりと過ごす。
お世話になったお土産物屋さん(という設定)に誘われて、
そのお土産物屋さんに併設された小料理店で軽く呑み食いしながら迎えを待つことになった。
お土産物屋さんのお知り合い3人ほどと私とで2席あったボックス席が埋まってしまうような小さなお店。
隣にはいつのまにか好きな人がいて、
なんでもない話をしながら食べたり呑んだりしていた。
しあわせな、じかん。
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今これを書きながら、
数年前、一緒に呑み食いしたのを思い出した。
あたたかくてしあわせなじかんだった。